海堂尊さん

映画/テレビドラマにもなったチーム・バチスタシリーズや、ジーンワルツで知られてる作家。
桜宮サーガとして医療の問題を提起されています。


もっとも、医療過誤とかではなく、医療を取り巻く問題。
特に官僚の決定に対して。です。


殆どの方はこのミス(このミステリーが凄い!)で「チーム・バチスタの崩壊」を知って読まれたかと思います。
ミステリーとしての出来は勿論ですが、医療の現場についての描写が活き活きとしていて記憶に残りました。
現役の医師だったので当然だったわけですが・・・。


で、ミステリーもしくはエンターテイメントとして上出来であるが故に危惧があります。
取り上げられている医療を取り巻く問題までフィクションと思われてしまうのではないでしょうか?


官僚主導/官僚に誤謬無し。
これの負の側面が取り上げられていますが、これがどれほどのものなのか?
これが伝わり難くなっていなければ良いのですが・・。


もう一点だけ残念なことが。
登場人物の描写がちょっと弱いかもしれません。
個々のキャラクターは立っているのですが、特異な面のみが記憶に残り、生活感が弱いのが難点です。
(それが無いから駄目。というわけではないのでご注意を)


海堂尊http://author.tkj.jp/kaidou/