Books

蜂蜜と遠雷

先が読みやすいとはいえ、ぐいぐいと引っ張られて読了。 ピアノ、音楽に興味が有る方だけではなく、 競技というものに触れたことが有れば意外と親しめるのではないでしょうか?この本から編集されたCDが有るので、購入しようかと思います。ちなみに、自身は…

碧空のカノン―航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 福田和代さん

有川浩さんの空飛ぶ広報室の音楽版、とも言えそうです。 航空自衛隊の音楽隊を舞台にしたちょっとした謎解きと吹奏楽に関する短編集です。 吹奏楽の世界の中で軍隊楽が占める位置はとても重要で、行進曲などは正に軍隊のために生まれて発展したものです。 カ…

体育館の殺人   青崎 有吾

真犯人を探し出す経緯とそのとっかかりから展開される推理はお見事です・・・。 ですが、 ある意味まだ若いキャラクター設定がその興を削いでいるのは否めないかと。 読者の引きずりまわされ感が強くなってしまっていると思います。作者の年齢を考えるとうな…

蒼林堂古書店へようこそ 乾くるみ

読むのに時間がかかりました。 薄めの文庫本なのでそれほどの時間は要しないだろう。と踏んでいたのですが・・・。 ショートショートの長さの短編が14編。それぞれが独立していますが全体を通すと浮かび上がる事柄が有ります。 連載が元なのでしょうか、繰り…

県庁おもてなし課  有川浩さん

高知県庁の観光部に設立されたおもてなし課(=県外からの観光客からの収入増加を目的とした部署)を舞台に、 意識の変革を軸に登場人物の機敏の変化を書いています。 高知県を観光地として広く知らしめようとした顛末は読んでのお楽しみ。 有川さんらしいラ…

より速く、より遠くへ! ロードバイク完全レッスン 現役トップアスリートが教える市民サイクリストのトレーニング法  西 可南子さん

ちょっと気になってので読んでみました。 が、 これ、内容はともかくとして、実践はかなり厳しいですよ。 家族が居る場合は特に・・・。 ヒルクライマー(高千穂遙さん)の大作ように家族に呆れられてしまいそう。 平日も週末も・・・だと補うための家族サー…

図書館戦争を読むべき時代

大人のラノベと著者の有川さんが言っていますが、だからといって敬遠するのは勿体無いです。 別冊のⅠとⅡは確かに恋愛要素テンコ盛りなのですが、 図書館戦争、図書館内乱、図書館危機、図書館革命の4冊はオブラートにはくるまれていて そのおかげで読み進め…

キアズマ 近藤史恵さん

近藤さんの手になる自転車レースを扱った4冊目の本。 前の3冊を読んでいなくとも楽しめるのでご安心。今回の舞台は架空の大学の自転車部。 新入生で自転車競技未経験の主人公と、もう1人の主人公とでも言うべき櫻井。 この2人それぞれの背景(生い立ち)の中…

前へ !   麻生 幾

3/11に対処した自衛隊を初めとする国の機関の活動を記録した一冊。 今だ復興の途上で、ともすれば忘れられがちな対処について示唆に富んでいます。これを読んでまだまだ日本も捨てたものではない。とは思いますが、そこここに散見される課題は手付かずのまま…

クローバー レイン  大崎梢

ベストセラーや、書評、広告に載っていなくとも手にとって求めた本。 たまたま店頭で見かけて・・・そんな買い方をしたことは有りますか?"プリティが多すぎる" ではティーンズ向け雑誌の作られ方を背景にしていましたが 今回は単行本です。 それも書き下ろ…

気がつけば100km走ってた──二代目自転車名人 鶴見辰吾の自転車本

いやあ、書いてある事は殆ど同感。 上手くまとめて書いてあるのですっと読めてしまう。 自転車乗りはこんなことを考えている。ということを識るのに良い本。ついでに、自転車で痩せる。ということを知るためにも良いと言いたいのですが、 どのくらいの距離と…

ふたつの庭  大崎梢さん

タイトルの意味は最後に明かされます。 保育園という場でそれまでに解かれる日常の謎の積み重ねが、もう一つのストーリーを進め、最後は大崎さんらしい結末に。ミステリーとして読むと肩透かしを喰わされるかもしれませんが、一種の成長譚とも言えます。 章…

大崎 梢さん 「プリティが多すぎる」

現在の仕事内容に満足していない方や、疑問をもっている人にお勧め。ミステリではありません。 ローティーン雑誌を舞台にしたジュニアモデルの世界を垣間見ながら仕事を見つめなおすことが出来、元気になれると思います。 天邪鬼な方は除き。 尤も、仕事内容…

明日の空  貫井徳郎  ☆☆☆☆☆

主人公の帰国子女の栄美の視点から始まる物語、 帰国子女というフィルターを通したのは良かったです。 ここではボーイミーツガール(逆のガールミーツボーイ?)で話は進みます。 そして次章の主人公像が巧く作られていて、謎を増やしながら話の向きに疑問を…

自転車の教科書   堂城 賢さん

今までに無い走り方の何故を追求して、合理性を説くものです。 断片的に聞いていたやまめの載り方が公開されています。 但し、万能理論かというとそうでは無いと思いますので、これも一つのアプローチとして受け止めるのが良いでしょう。 花粉症の季節が過ぎ…

銀輪の覇者 斉藤 純  ☆☆☆☆☆

これ、ミステリーというよりも、何といえばいいのか・・・素晴らしくよく出来たフィクション・・・冒険小説です。 日本縦断ロードレース(自転車の)。 但し、 実用自転車のワンメイクレース。 そんなレースを背景に繰り広げられる群像劇・・・ではなく。 む…

マツリカ・マジョルカ   ☆☆☆☆  相沢沙呼

マツリカさんは主人公の姉かと思いました。 途中からそれが無いことには気がつきましたが。 でも、どれほどの大規模校でも、独特の雰囲気のある生徒なら噂を聞いて特定できると思うんですよね・・・。 これだけが引っかかったこと。それと、マツリカさんと主…

折れた竜骨   ☆☆☆☆☆  米澤穂信さん

評判の高いこの本、読んでみました。一読目、え・・・そんな・・・と、極上のやられ感 二読目、な、なるほど・・・。 と、唸ることしきり。 きっと三読目でも発見が有るのでしょう。魔法が存在している世界のミステリーを 小市民シリーズ、古典部シリーズか…

グランプリ  高千穂遙

競輪って言葉を知ってはいても、その中身については知らないと思いませんか? ルール、選手の生活、様々な用語。 そんなこんなを知るには競輪場に行く、スポーツ新聞を読む、競輪好き(?)な方に聞く、競輪番組を見るといった方法がありますが、 傍から見る…

LIFE Packing 高城 剛

高城さんが所有するものを減らした結果残ったもの。 単行本で、見ようによってはカタログになっているのが若干皮肉ですが。 掲載されているものは説明を見ればなるほどですが、 価格がお手頃では無いものも散見されて・・・・。 また、これらに辿りつくまで…

ハナシがちがう! 田中啓文

落語。 ふるくさ〜い雰囲気を伴っているかもしれません。 でも、聴いてみるとそうでは無いことに気が付くと思います。 (新作ではなくて、古典で、です)そんな古典の世界をひょんなことから弟子入りした主人公を通して触れる事が出来るのがこの本です。 こ…

海堂尊さん

映画/テレビドラマにもなったチーム・バチスタシリーズや、ジーンワルツで知られてる作家。 桜宮サーガとして医療の問題を提起されています。 もっとも、医療過誤とかではなく、医療を取り巻く問題。 特に官僚の決定に対して。です。 殆どの方はこのミス(こ…

神は沈黙せず 山本弘 ☆☆☆

途中までは結構、良い調子で読んでいたのですが・・・・。 結末がそれを覆してくれる事を期待して読了したのですが・・・。肝心の事を避けてしまった気がして。 それであれば描写がもうちょっとあればシミュレーションとしては有りなのかとも思いましたが。…

今週の読書

蝦蟇倉市事件 1/2 ☆☆☆☆1は推理を読者にゆだね、2は犯人側の視点で描かれています。 蝦蟇倉は元ネタが鎌倉と思しき場所で、地図が用意されており、その上で11名の作家が作品を書いたアンソロジー。 叫びと祈り 梓崎優 ☆☆☆☆各編に叙述トリックが仕掛けられてお…

ジュンク堂新宿店閉店

ピンポイントで買いたい場合は通販ですが、やっぱり帰宅途上の本屋で買う方が多いです。 店頭で目にして手に取ったばかりにお持ち帰りになった本も勿論数知れず。ネットで本屋の迷宮ぶりを再現出来れば良いのかも知れないですが・・・。でも、朝の7時過ぎの…

今週の読書

ヒルクライマー宣言☆☆☆ : 高千穂 遥高千穂さんは、クラッシャージョーシリーズからのお付き合い。 バイクにのめりこまれたことまでは知っていたのですが、気が付いたら自転車の世界に。 自転車で痩せた人、自転車三昧は既読だったので見かけたこの本にも手…

午前零時のサンドリヨン   相沢沙呼 ☆☆☆☆

本当は☆5つとしたかったのですが、再読するとヒロイン(?)のキャラが男の考えた理想の一つ。 という気がしてきて一つ減らしました。でも、特に高校生には読んで欲しいです。マジックで引き締めたラノベとも言えなくも無い学園もの。 ミステリーの内容は日常…

図書館シリーズ 有川浩  ☆☆☆☆

有川浩さんって、女性だったのですね・・・。 このシリーズを読むまでは「塩の街」しか読んでいなかったのですが、何故か男性だとばかり思っていました。別冊Ⅱを読んだあたりでこの描写は男性には出来ないのでは・・・と思い、後書きで女性と知りました。 別…

スタジアム 虹の事件簿 青井夏海 ☆☆☆☆

「スタジアム」とあるので野球ミステリーかと思っていました。 が、 良い意味で裏切られました。探偵は野球を全く知らない球団オーナー。 なので、上手くルールの説明を組み込んでいて野球を知らない人でも(ひょっとして知らない人の方が?)楽しめます。 …

ついていったらこうなった 多田文明 ・・・読んでおいて損は無し

キャッチセールスの体験取材をまとめたものです。 街頭で、絵画展や、アンケート、手相、色々な事で声を掛けられますが、なかなかその先を知ることはないので貴重な内容。著者でも頭髪のキャッチセールスは取材ではなく自分の事として話を聞いてしまい、危う…